世界の街角で |
ボストンのチャイナタウン 少数民族を訪ねて |
絵と文 【陳天璽(ハーバード大学) 】 |
![]() 私が今住んでいるボストンにあるチャイナタウンはアメリカの2大チャイナタウンであるニューヨークやサンフランシスコと比べると、あまり知られていない。規模もそれ程大きくない。私たちになじみの深い横浜中華街と比べれば、ボストンのそれは約3分の1ほどである。横浜の中華街がよくメディアに紹介され、エキゾチックな雰囲気を持ち、多くの観光客や若者を引き付けるのと比べると、ボストンのチャイナタウンは、どこか古ぼけていて、寂れた感じがしなくもない。横浜でみんなが思わずカメラを取り出したくなるような中華風の立派な牌楼や豪華な建物はほとんど見られない。いわゆるゲートも、白い柱に青い屋根がついており、「天下為公」と書かれたシンプルなものが一つあるだけだ。 ![]() ボストンのチャイナタウンのもう一つの特徴は、新しく移民してきた人々と古くから住んでいる華人が共存していることである。近年、中国、特に福建省からの移民が多いのは横浜も同じだが、ボストンでは東南アジアから再移民してきた人々が多く、老華僑が多数を占める横浜とは雰囲気がちょっと違う。ボストンのチャイナタウンの一角には、ベトナムなどから70年代に移民してきた人々たちが密集したエリアがある。そこには、ベトナム系が経営する料理店や貴金属店が軒を並べている。ベトナムの食品に特化したスーパーもあり、そこでは、フランスパンで作られたベトナム風のサンドイッチがテイクアウトできる。数年前にホーチミンでその味に魅せられてしまった私にとって、このサンドイッチがチャイナタウンで手軽に手に入るのはうれしかったりする。 ![]() 横浜とボストンだけを取って見ても、チャイナタウンの趣は違う。そして、それぞれのチャイナタウンがかもしだす「チャイナタウンくささ」も千差万別である。ボストンのチャイナタウンには豪華な中華風の建築物はあまりなく、エキゾチックな雰囲気を感じさせる要素は横浜中華街のようにあるわけではないが、それだからこそ、におってくる「チャイナタウンくささ」は、それでまた人を引き付ける愛らしさがあったりする。 ![]() |
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