珠江飯店  珠江什錦拼盆

海流に乗ってフワフワ漂うクラゲ。
ユニークな外観と、のんび~り漂うその姿に癒されます。
ここで取り上げるのは食用のクラゲ。
そう中国料理の前菜に出てくる、あの「クラゲ」です。


大連の街  世界に3千種以上、日本近海に2百種以上いるといわれるクラゲ、その中に、食用になるクラゲがいます。ヒゼンクラゲ・ビゼンクラゲ・エチゼンクラゲ、となぜか地名が付いた食用クラゲ、コラーゲンがぎっしりで、免疫物質分泌を促すとか。漢方的観点からは寒性・鹹味に分類されます。

 日本で昨今、夏から冬にかけて、「巨大クラゲが大量に日本海に出現、漁場では重くて網が持上がらず、排除に追われ、被害を受けている」というニュースが流れますが、その主・エチゼンクラゲも中国では、一般家庭で食べられる「食材」です。

 9月、「クラゲの大産地」、中国・遼寧省の大連を訪ねました。大連で加工、塩漬けされたクラゲが、日本に輸入されてきます。

ビゼンクラゲ
中国で「海蜇(クラゲ)」といえばこのビゼンクラゲ。中国料理の前菜に使われるのは、主に寒天質が肉厚なこのビゼンクラゲの傘部分。傘は半球形で、大きくなると直径は50センチほどにもなります。中国のビゼンクラゲ漁は実に1700年以上の歴史あり!日本でも本州中部~九州地方で見られ、「酢の物」などで食べられています。
ビゼンクラゲの加工
皮付きビゼンクラゲ   表面の皮はぎ
 
加工前の黒い皮がついている状態。   表面部分をたわしでこすり、皮をはぐ。
内面の皮はぎ   外周切り取り
 
大きなガラス玉の上で、内面の皮をカッターではがす。   この後の作業をしやすくするため、傘の外周部分をカット。
切り取った外周部分   加工完成
 
4でカットした部分。コリコリと歯ごたえよく、中国国内では珍重されて傘の2倍の価格とか。日本には来ません   中国ではこの状態で食べますが、輸出用にはこの後、2回、3回と漬けます。
     


キャノンボール   クラゲの保管庫
 
メキシコやアメリカ産の、傘直径20センチほどの小型クラゲで、技術力ある中国・大連で加工される。塩蔵後、小さいので傘部分を渦巻き状にカットする。日本にも輸出。   もとは防空壕で、中は車で移動するほど広い。1年中温度が低く一定で、クラゲの保管に適する。


エチゼンクラゲ
中国で「沙海蜇(すなクラゲ)」と呼ばれるエチゼンクラゲ。日本近海に出現するクラゲの中で最大で、淡褐色~灰色をした半球形の傘は成長して直径2メートルにもなり、重さ2百キロにも達します。5月に朝鮮半島南西海岸や東シナ海域で発生。夏~冬に日本海沿岸を北上していきます。

2005年8月 水産大学校裏海(下関市)にて
当時同校生物生産学科4年生・大里純氏が撮影、
傘直径1メートル以上の大型個体
エチゼンクラゲの加工
出漁   水揚げ
 
大連港を出て30分、網を掛け、熊手で小舟に引き上げる。   帰港後、少し大きな舟はクレーンでクラゲを下ろし、加工場に。
傘をカット   貯蔵
 
加工場で傘以外は取り去り、機械で傘を幅広のひも状にカットする。   ミョウバンと塩で漬け、貯蔵池で3日寝かす。
出荷    
   
4日目に水を切り、パック詰めにして市場に出荷、レストランや商店に。    

クラゲの調理
1.海蜇皮をクルクルと巻き、小口から幅5ミリほどのひも状に切る
  (カットして売られているものもあり)
2.軽くほぐして70~80度の湯(あるいは沸騰した熱湯…クラゲの種類により異なる)にくぐらす
3.チリチリと縮まったら手早く冷水に取る
4.砂を除き塩抜きするため、一晩、水(できたら流水)にさらす
5.クラゲの水気を拭き取り、たれ(しょうゆ・酢・塩・砂糖・ゴマ 油…適宜)と混ぜ、味をなじませる

大連のエチゼンクラゲ料理
  海蜇皮  クラゲの傘
クラゲの円平状の傘の部分。ひも状にカットして調理される。
海蜇頭  クラゲの頭
傘の下の口腕部。傘部分より、コリコリした歯ごたえあり。最近、輸入が多くなっている。

クラゲのお買い求めは―
【耀盛號1号店】横浜中華街北京小路 045-662-4054
【耀盛號2号店】横浜中華街長安道 045-681-2242





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