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日本語で「焼く」というと、「焼肉」や「目玉焼き」を連想するけれど、中国語の「焼shao」は、それとは全然違う。肉や魚を炒めたり揚げたりした後、スープや調味液を加えて煮含め、最後に強火にし、あらかた水分を飛ばして仕上げる調理法のことを指している。中でも「紅焼
hongshao」が有名で、「紅」というのは醤油のこと。紹興酒や、醤油の深い色が材料に染み込んで、出来上がりを見ると、こってりした照り焼き風という感じになる。 毛沢東がブタ肉を「紅焼」にした「紅焼肉」が好物だったというのは有名な話だ。「紅焼鯉魚」という魚料理も定番で、これはコイを素揚げした後、煮魚にしたような料理。どちらも味が濃いので、ご飯によく合う。 「焼」は、「揚げて煮含める」という意味の他に「焼飯」(ご飯をたく)や、「焼水」(水を沸騰させる)という言い方もできる。強火でワッと煮炊きする感じ。ただし、中国語の「焼」にはあぶる意味もあり、「焼鶏」はあぶったトリ肉の意味で、煮含める料理のことではない。それに「焼餅」というものもある。これも「揚げて煮含める」ではなくて、「お焼き」のこと。時に中国の人がこの「焼餅」を直訳して「やきもち」と言うけれど、日本語の「やきもち」は、小麦粉の「餅bing」でなく米の餅(もち)をあぶったものなので、その場に実物がなかったら誤解されるに違いない |
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〈浅山友貴〉 |
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