ぱい
ろう
横浜
中華街
牌
楼
を
探
せ
中華街のシンボル「牌楼」をいくつご存じ?
イラスト/会見千春
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中華街にある屋根付きアーチ形の門、牌楼。今年の春節に東の牌楼【朝陽門】が竣工し、横浜中華街に10基の牌楼がそろいました。
中国の皇帝は古来より、王城を築くとき天文博士に天意をうかがわせ、邪気が入らないよう東・南・西・北にのみ通路を開き門を築きました。その門は陰陽五行に基づく色、それぞれ青・赤・白・黒で彩られ、方位の守護神〈四神〉、すなわち青龍・朱雀・白虎・玄武をそれぞれに据えました。時間が移るとともにその方位の守護神が入れ替わり四門の内を四六時中守ります。皇帝は風水思想を重んじ、城内の繁栄と人々の幸福を願ったのです。
横浜中華街の牌楼はこの風水思想に基づいて設計・建設され、名前が付けられました。四神の守護の下で街の繁栄と文化の継承を願っているのです。ここで生活、仕事をする人の心の支え、また街にやってくる人にとっては、「
中華街へ来た!
」最初に目に入る中華街のシンボルですネ。
1989年から順次改築、新築され、【朝陽門】で完結したのです。
ぜんりんもん
【善隣門】
中華街大通りに1955年に建てられた日本で初の牌楼に、『春秋左氏伝』から引用した「親仁善隣」の言葉とともに、「中華街」の額が掲げられて以降、この街は「中華街」と呼ばれるようになった。現在の牌楼は89年竣工の2代目。
写真…初代牌楼の竣工式(金子昇平氏・蔵)
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東・ちょうようもん
【朝陽門】
朝陽が街を照らし繁栄をもたらす。守護神は青龍神、色は青。写真…竣工式(03年2月1日)
南・すざくもん
【朱雀門】
厄災を払い、大いなる福を招く。守護神は朱雀神、色は赤。アールのデザインは横浜中華街オリジナル。
西・せいようもん
【西陽門】
JR石川町駅中華街口にある。西の太陽にいちばん近いところから名付けられた。
北・げんぶ もん
【玄武門】
守護神は玄武神、色は黒。
いちばとおりもん
【市場通り門】
(2基)市場通りにあり、中華街のにぎわいを象徴。
てんちょうもん
ちきゅうもん
【天長門】(東側)【地久門】(西側)
「横浜関帝廟」の
通りを象徴する。
えんぺいもん
【延平門】
平和と平安が続くことを願う。守護神は白虎神、色は白。
私が
設計
しました。
中山厳さん
この10基の牌楼すべて(!)を設計したのはRA建築設計の一級建築士・中山厳さん(49歳)。
中山さんはこの街で、中華街の風を感じて育った華僑3世。90年に竣工した【関帝廟】の設計もしました。中国・台湾に出かけ本場の宮殿建築や社寺を見、書物を読み漁って設計した【関帝廟】、その後【洗手亭】(トイレ)・山下町公園の【会芳亭】、そして牌楼10基をデザイン・設計したのです。横浜中華街にある公の主要な「中国建築」の建物はすべて中山さんの設計、というわけです。
「【関帝廟】の設計の話があったのが私が33歳の時、そして89年の【善隣門】改築から今年の【朝陽門】竣工まで、この16年間「本物以上のものを作ろう」とやってきました。中華街の街づくりにかかわる人々や中国・台湾技術者とのいい出会いがあって完成したのです。「平常心で、やるべきことを自分の技術でやる」ことと、この街にかかわることの使命感でやってきました。この15、6年の横浜中華街の街づくりは、中華街150年の歴史の中でもすごい展開をしていますよ。この時代と、自分の動ける時間が合ったという幸せと宿命を感じます。」
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